読後会での深堀作業

遅くなってしまいましたが、色々な縁あって、読後会というものに出席しました(6月11日なので、1ヶ月前ですね…)

そもそもの始まりは、林田全弘さんという(私はりんださんと呼んでます)方との出会いです。


2006年頃、オックスファムから出て今の会社に移った時に、サービスグラント、というプロボノをマッチングするNPOに登録しました。
その時に林田さんと同じチームになり、プロボノ作業のためとは言え、朝も昼も頭を悩ませて、色々議論しました。
その結果、お互いに非常に考え方が似ていることに気づき、その後も、NPO向けのデザインというのを林田さんがやるのを、私が手伝える時に手伝い、手伝えない時は放置して(笑)、一緒にちょくちょく会ってはアップデートしてきました。


そんなアップデートで二人が会った時に、林田さんが「デザインの現場」という雑誌に出ていた、Design for the Other 90%の展示について教えてくれたのです。
槌屋さん、こういうの、興味あるでしょう????」

それからずっと頭について離れなくて・・・
そして、結局色んなことが起こりました。


それで、林田さんは前々から組織をデザインする時は、良いファシリが必要だ、という話をしていて、ファシリテーターの青木さんといつも色々と情報交換や協働をしているようでした。
いつか私も会いたい会いたいと思っていたら、なかなか会えなかったのですが、友人のバーYomicaで、デルフト大学のイローナが来た時にこっそりとしたこじんまりした飲み会をしたのですが、その時にお会いできました。


そこで話があれよあれよと、(ま、飲んでたせいもありますが)「青木さんがいつもやってる読後会で、この本を取り上げよう」ということに。

「読書会」「ブッククラブ」とはぜんぜん違うスタイルで、読んだ人が思い思いに色々な話をするスタイル。
私も入っていいの?と聞いたら、Okとのこと。


そこで10人強で5時間という濃密な時間をすごしました。
MITの遠藤さんもボストンからUストリームで見ていたようで、「日本でもああいう話し合いが行われるのを見て、新鮮でした。面白かったです。」とおっしゃっていました。
(5時間も見るのつらいと思うんだけど・・・)


というわけで、現在、その濃密な時間をぎゅっと縮小した記録がウェブに上がっています。
一人一人の哲学にまで行き着く話が出来、この5時間で色んな気付きを得て、そして自分が何をすればいいかを考えるに至っています。


元々、私は「自己実現」と「BOPビジネスの実施」をごっちゃにしてしまっている人がいて、不安に思っていたのですが、それもそういう考え方を深堀していくことで、不安が解けました。

不安というのは、よくあることなのですが、「自分のやることを探している、その一つがこれなんじゃないかと思う」という自己中心的な思いの基点(その多くはやりたい思いが強すぎて、実効性を伴っていないことがあります)と、「BOPビジネスという領域に入っていく」という過酷で先の見えない作業を、一緒にしない方がいい、と思っていたということです。


ですが今回の5時間の濃密な世界の中で、学生や色々な不安を感じている人たちと話しながら、自分も自己実現のためにやっていることがあることも気付きましたし、自己実現という言葉の意味も深く考えるようになりました。それは将来に対する不安や自分をとりまく環境に自分が巻き込まれていく不安から、ふっと浮上してくる欲望なのだと思うのです。

そして、何よりも自己実現が相手にとっての自己実現と重なるような世界観を作っていけば、そこには両立できる土壌が生まれるということもよく分かりました。


5時間という時間をすごすことの重要性を知りました。
皆さんも立ち止まって、自分が行き急いでいると思ったら、
5時間でいいから立ち止まってください。
なぜ、急いで結論を出そうとしているのか、分かるはずです。

もし興味がある方は是非ご一読ください。

林田さんのブログ:

読後会、盛況のうち終了しました [2010年06月14日(月)]
http://blog.canpan.info/rindazenko/archive/29

読後会の記録資料できました! [2010年07月07日(水)]
http://blog.canpan.info/rindazenko/archive/30