旅の準備

世界中の農村部をうろうろし、ビジネスと土着の間を行ったりきたりする、この仕事が本格的になった頃から、体は色んな変化を起こし始めました。腰痛、軽い咳から始まって肺炎に近いような咳、偏頭痛、湿疹…。体が順応できていない証拠です。

色々考えさせられることが多いのは、自分の体がその社会に対して、その国に対して、順応しようとする時の反応です。

やはり、人間の本能はすばらしく色々なことを教えてくれ、それが思想にも繋がっていくのを感じます。
なので、私は一つ一つの症状を嫌がらないで受け入れ、これは何を意味しているのか、意味していないのかを考えるようになりました。


今、ちょうど旅の準備をしていたところだったので、その休憩がてら、私が最終的に今のところ落ち着いている、村やローカル、土着への順応方法を、少しだけ書いてみようと思います。


元々敏感肌ということもあり、化学的な薬が苦手なのですが、最終的に胃腸の予防薬とマラリア予防以外は薬はほとんど服用しないことにしています。(これだけは避けて通れないので)

本当は現地の葉や現地の薬で治すのが一番いいのです。
(実は、私が南米を旅していたとき、一番高山病に効いたのはコカの葉のお茶でした。そのあたりに生えているのを取ってきて、お湯をかけるだけですが、町の人が作ってくれて一気に治ったのです。)

私が持っていくのは、古来から消毒や傷に使われていたラベンダーオイルや、菌が体に入った時に殺菌作用のあるティートリーオイル、あとはメディテーションのために自分が必要ないくつかのオイルと、それからホメオパシーの薬を少量持って行きます。


こうした薬草を中心としたものに変換したのは、これらは現地で必ず代替となる同じ効用を持つ薬草を見つけられるからなのです。

ラベンダーは本当に便利で、最近やけどをしたのですがこれにもすぐ付けられるし、ティートリーを喉から肺にかけてマッサージしつづけたおかげで、重い咳や声がれも収まりました。
(ラベンダーは第一次世界大戦モルヒネが切れた戦地で使われたオイルで、傷を治す即効性があります。)


これも、自分で少しずつ体質に合わせて選んだもので、これらを持っていると安心して、フライトに乗って、5−6時間の車の移動も出来るし、そして現地で健康でいられるのです。


現地では何が起こるかわからないのですが、普段からこのオイルを日常的に使っているため、ほとんど今の生活と何も変わらずに現地の空気になじむことが出来ます。
自分と現地の境界線をなくすために、自分の生活を変えたと言ったほうがいいかもしれません。


現在、ハーバリストの医師兼友人と相談して、自分の体質や仕事にあったものを選んでいるところなのですが、彼女が言うには、「あなたは現地に土着化しようとするけれど、先進国で生まれ育った体だから無理な時もあるみたい。だから、今度は現地でオイルや薬草を調達してきてごらんなさい。それをこっちでも使うといいんじゃないかな。」と言われています。


オイルはフレッシュであればあるほどよく、私はまだ保管の方法がへたくそなのですぐだめにしてしまうのですが、実はオイルの持ちは持ち主の健康状態やメンタル、気の流れとも作用しているっぽい気がしてきたので、そのあたりは自分で気をつけることが重要です。


旅は非常にメンタルに来ます。
ビジネスだから、とか、出張だから、とか関係なく、今までの自分の人生や生き方を見直し、農村で生きる人々の人生にコミットしていく自分を見つける時、その方向性に悩み、メンタル面でも色々と強くならなければ対峙できないこともあります。
悩むことだらけです。

なので、実はメンタルのメンテナンスが非常に重要で、それも現地の人々の声を、聞こえない声までも、自分が聞けるような状態になり続けるための、メンタルが重要なのです。


以前、農村で起業家たちを育てている人と話した時に、「この道は仏陀が通った道だ、私はその後をたどるだけだ」と言った人がいました。
私はメディテーションを時折しながら、その意味を何度も何度も解釈し直し、まだまだその理解に至ってないことを知るのです。


さて、パッキングに戻ります。
あさってには灼熱の南部インドに上陸します。