海外インターンをしたい方について

春の兆しが見えてきました。

家の外の庭に、「自家製コンポスト」を秋から作っていたのですが、キツネに外枠を全部かじられ壊されて、結局「ごみ置き場」に変わっていたので、冬の低温でそこまで発酵しないことをいいことに放置していたら、そこから新しい芽がちょこっと…
いや、植えた覚えがないものですが…
何の花だか木だか分かりませんが、大事にしたいと思います


さて、今日の本題は最近増えている問い合わせについてです。
「海外でのインターンをしたいのですが、紹介してくれませんか」というもの。


特に、春休みを利用した学部生の方が多いのですが、正直なところ、「今からインターンを探していたのでは遅いです!」
なので半年前にはCVとか面接とかを済ませておきましょう…。(ビザとか色々ありますから、現地サイドもそこまで柔軟に人を出入りさせられません…)


あと、とかく忘れがち&思い込まれがちなのが以下なので、注意してください。

NGOインターンでただで働いてくれる人を求めている!
⇒そうでもないです。
多くのNGOや現地組織にインターンの受け入れについてよく話しますが、「本当に優秀な人なら来て貰いたいけど、変な人が来ると本当に困るんだよね…、世話する側の人材コストもままならないし。」としぶしぶ顔のところも多々あります。
現地言語がしゃべれない分、おんぶに抱っこになりがちですから、「本当に採ってもらえるか?」という気持ちでアプライされるべきです。
NGOやソーシャルカンパニー側も投資対効果を求めます。ただほど高いものはない、という現実も知っています。ですので、お金を払ってでも来て欲しい人と、ただなら来てもいいけど邪魔しないでね、っていう人では違う、ということを認識してあげてください。
(これはどこの会社もそうですよね…。会社の場合、その後にその人がその会社の人材になる可能性があるので、ほぼ人事はマストで考えると思いますが、そこまで器が大きいNGOばかりでもないことをご理解ください。)


・一生懸命働きます、だから受け入れてください!
⇒残念ながらこのロジックは通りません。NGOやソーシャルカンパニーの中には、大勢インターンを受け入れるシステムを持っているところもありますが、一生懸命働いてもらっても、専門性がその団体が欲しいと思っているものにマッチしなければ意味がないのです。
特に、ボランティアマネージメントは、必要のないスキルに特化した人材が着てしまった場合に、いちばんややこしくなります。これはその人材がだぶつくからですが、一方で、メンタル面のケアもしなくてはならず、仕事を無理やり作らなければならなくなる。これは余計に面倒です。
何度かインターン受け入れで失敗した教訓がある団体は、大体の場合きちんと専門性や何を貢献できるかを聞いてくると思いますから、それに答えられなければ受け入れてもらえないでしょう。


・開発を勉強している学生です。
NGO側・ソーシャルカンパニー側にはもう既に多くの「開発」を勉強した人材がいるので、あまりメリットに聞こえません。むしろ何かのオペレーションをしたことがあるとか、社会人経験がある方の方が、自分達にないアイデアや手法を持ってきてくれるのでうれしいでしょう。
ただ、例えば、「農業開発学をやっていて、特に昆虫と農業の関係について詳しい」とか「都市計画と開発をやっていて、トイレの設置に関する地理的な研究なら出来る」とか、もう少し具体的にその団体が欲しいと思っていそうなメリットを提示してあげてください。



槌屋さんに聞けば、いいところを紹介してくれる!
⇒ごめんなさい、私のネットワークに限界があり、地域的にも限定的です。積極的にインターンを受け入れるNGOやソーシャルカンパニーの場合、相当の社会人経験のある人を求めていることが多いので、そういう方なら紹介できると思います。
また、何よりも、人に紹介された団体だから、というのではなく、ご自身で惚れ込んだところで働いていただきたいので、自分でネットでも何でも探して、その団体を知っているか?という聞き方ならいいと思います。
理念を分かっていない人が、理念ベースの団体に紛れ込むことほど、面倒くさいことはないのです。ですから、理念をきちんと理解し、共感できる、この団体なら面白い、ときちんと研究をして、ご自身でアプライされることをお勧めいたします。
もし、それが結果的に、私が知っているNGOや団体であれば、リコメンドが必要であれば、一定の情報を頂き、お話もしたうえで、リコメンドをいたします。
ローカルでがんばっているNGOやソーシャルカンパニーで働くということは、会社への就職となんら変わらないのですから、「槌屋さんからのコネ入社」はお願いですから、期待しないでください。


と、厳しく書いてしまいましたが、最近増えていますね。


でも、最近、BOP関連の周りの人と言っているのですが、「国際交流病」的に、「行ったら何かあるんじゃないか」というのは完全なまやかしですので、きちんと計画を練り、戦略を練り、何がしたいのかをはっきりさせてから行ってください。
それが、相手のNGOや団体へのせめてもの礼儀です。


私も昔、ボランティアを採用していたのでよく分かります。熱い気持ちで入ってきてくれれば長続きしますし、その方と一生お友達になれます。だからその人材への投資もします。ですが、そうでない方にはあくまでもそのNGOは通過点か、箔がつくから、だけかもしれない。そういう人と過ごす時間はやはり辛いものがありますね。



最近、5−6通同じようなメールを頂いていて、返事をひとつひとつ書いていたので、ブログにもアップさせていただきました…


いずれにしても、相手目線がない、ということに驚くことが多いです。相手のNGOや受け入れる側の気持ちになって考えてみると、到底無理なお願いなのかもしれないですよ…。


特にBOPビジネスに関連するようなことに興味があるという方は、まず手軽なのはMFI(マイクロファイナンス機関)へのインターンをされてはいかがでしょう。現状の苦しみが分かると思います。(ただそこまで公募も多くないですね)


また、MFIの場合もそうでない場合も、やはりビジネスですので社会人経験のある方かビジネスを専攻されている、または実経験を持っている方が優遇されますので、そのように理解されるのがいいと思います。


他に興味がある方は、
One World Jobs
http://uk.oneworld.net/section/uk/jobs
をごらんいただくのがいいと思います。


他にも世界中にネットでごろごろ情報は転がっていますので、ご自身で発掘され、人生を懸ける気持ちで、応募してください。