勝間さんのchabo!とメディアのNGO批判の不思議

勝間和代さんは、Chabo!というブック寄附システムを率先している方で、とっても面白いなあ、と思っていたが、別に「賛成」「反対」という立場でもなく、とてもニュートラルな気持ちで見ている。彼女のように自分のopinionをはっきり物申せる人が増えることをしみじみと感じる。


先週末だったか、テレビで勝間さんがJENという団体と共に、途上国に視察にいく番組を
やっていた。勝間さんがでていて、面白いなと思ったが、メディアの取り上げ方がちょっと異様で、正直に言うと、辟易するシーンがあった。


例えば、NGOで働く人たちが「ヨガマットを現地で買うこと」や「ペットボトルをポイ捨てしている」と批判するシーン。


【ヨガマットを買うことが批判されるのは、「現地の人は貧しい生活をしているのに、現地でヨガマットを買うなんて」という批判だ・・・。正直なところ、じゃあどこならヨガマットを買ってもいいのか・・・?とそのロジックのおかしさに悲しくなってしまった。なんか批判のポイントがずれている。】



確かに現地での援助関連分野での専門家の人数の中で、NGO勤務者は多いかもしれないが、同じ援助と言ったって、NGOだけでなく、開発援助コンサルタント(MやPから始まるグローバル・コンサルタント企業の方々だって大勢いるのだ)、国連機関の職員なども含めると、本当にピンキリの人々が現地で働いているというのに、全てをおしなべて「NGO」と批判すること・・・
これはいかがなものだろうか。


また、その後すぐに、国連職員の日本人女性がインドで働く姿を取材したシーンもあったが、ここでもメディアの取り上げ方には辟易させられた。

その女性が爆発テロの恐怖の中で、がんばっている姿を映しているのだが・・・


彼女が夫と離れ離れに暮らしていること、そして子どもはいないこと、インドで味噌汁を一人で夜食べていること、を取材して、こうナレーションは言う。「女性なのに、単身でインドにきていて、その背中にはさびしさが宿る」みたいな言葉だ。


正直、彼女にしてみれば、この番組を後で見て、「え?」と思って苦笑しただろう。


勝間さんにしてもそうだ、「NGOはけしからんですね」という論がスタジオで沸き起こったときに、彼女は「まあ・・・」と若干苦笑していた。


芸能人も「NGOって勝手に行って支援されてもねえ」と若手のハーフの子が言っていたが、この子はNGOの業務内容を分かっているのだろうか・・・?


そんな「えげつないスタジオの雰囲気」の中で、苦笑している勝間さんを見て、心が苦しかった。だって、彼女はJENというNGOを応援しているのだから。



開発援助の世界に、「これが必ず善で、これが必ず悪だ」という二項対立は絶対に成立しない、と私は思っている。
この番組では、NGOは悪で、国連機関は正しいことをしていてすごいですね、という短絡的な発想の構成と、女性が援助機関で働いていますが、途上国に一人で行って危険なのに大変ですね、という感想が述べられているだけで、いくらお茶の間向けとは言え、あまりにレベルが低くないか、と耳を疑ってしまった。


メディアの功罪とはよく言ったものだ。
筑紫さんがなくられて、私が悲しいのは、テレビ、メディア全体の知的レベルの低下が促進されることで、このような番組を彼だったら許さなかっただろう。
そういう、日本の言論の良心が消えている。


さて、ダルフールの事件はまだまだ続いている。


ろくな番組も流せないテレビに変わって、きちんと私は、ここで広めておきたいと思う。

ダルフール、数千人が誘拐され奴隷に 慈善団体が報告

【12月18日 AFP】スーダンダルフール(Darfur)地方の慈善団体連合会「ダルフール・コンソーシアム(Darfur Consortium)」は17日、政府軍や民兵組織がこれまでに同地方で子ども・女性を含む数千人を誘拐し、強制労働をさせたり、性の奴隷にしているとする報告書を発表した。

報告書によると、誘拐されるのは大半が女性や少女で、性的暴行を受けたり強制的に結婚させられたりしており、首都ハルツーム(Khartoum)に連れて行かれて兵士たちの性の奴隷や家政婦にされるケースもあるという。一方、誘拐された男性や少年は農場で強制的に働かされており、その証拠を今回初めてつかんだとしている。

今回の報告に対し、スーダン政府からコメントは出ていない。政府軍の報道官は、報告の内容は荒唐無稽(むけい)だとしている。

http://www.news.janjan.jp/world/0701/0701218540/1.php