狭い道に群がる志のソーシャリストたちよ

久々にロンドンで3時間話し込むというすばらしい出会い。
IDE(International Development Enterprise:世界を変えるデザインの中に出てくる足踏みポンプの設計を行ったNGOです)のPaul Polak。かの有名な「Out of Poverty」の著者です。

彼のフライト直前まで、メイフェアのシェパード・マーケットで話し込みました。IDEのメンバーと一緒に、IDEの長期戦略をああだこうだいいながら。(私はIDEプロボノとして戦略立案のお手伝いを少しだけしているのです・・・)

彼とは前から会いたい、会おう会おう、いやいつ会えるのだ?と話していましたが、今回偶然、IDE UKのメンバーが「今日、ポールが着てるんだけど、shinoってイギリスに今いるわけ?いるなら、絶対あわせたいんだよ!!」と連絡が来て、「いるよーいるよーーー!!」と答えたら、急遽ミーティングに呼んでくれました。


MITのDlabの遠藤さん(Jaypur Footの義足開発に携わっています)と電話したときも、「僕の師で、ものすごい尊敬してるんです!!」といわれているポールさんですが、比較的、普通のおじ様の雰囲気をかもし出しつつ、ものすごい面白いです。


新しいものをきちんと吸収し、そして、「コネクト・ドット」ができる人。

目がきらきらしている人。

そして、なによりも「実行できるもの」「本当に売れるもの」「本当に使えるもの」それにしか興味がないという、ビジネススタイル。


こういう人ってどの世界にもいますね。そして、こういう人が世界をつなげて行くのを感じます。
違う分野にいても、同じ世界観を共有できる。


で、彼と話していて、日本の状況を色々と説明したり、どうすべきかを話していました。

急速に関心が広がり、Design for the Other 90%(世界を変えるデザイン)に対する関心、ソーシャルビジネスに関する関心、社会的起業・社会的企業に対する関心があまりに沸騰しすぎた状態になっている今、。。。。

一方で、誰もどこに向かっていけばいいのか指南役もおらず、現地と繋がれる人も少なく、現地のコミュニティに足を運べる人は「ラッキー」な状態になっている。
(コミュニティ側にとっても一気に沢山きてもらいたいわけじゃない・・・一度に2〜3人、しかもきちんと実行につなげて行く能力のある人、というのが限度でしょうね)

つまり、
「狭い道に群がって、みーんな待ってる、志の高い人たちの列ができているような感じなんです」と私が説明する。
ポールも、ふーむ、どうしたもんかね、という顔をしていました。


そして、道が狭いが故に、悪い道、嘘の道、間違った道に誘導しようとする動きやサービスも出てくるかもしれない、つまり、それはコミュニティへの影響を無視した道を作る人が出てくるだろう、という懸念。そしてその道から出てきた商品は必ずしもコミュニティに貢献せず、「selling to the poor」と何が違うのだろう、と思わせるものになってしまうかもしれないという怖さ。


狭い道でもいいから少しPatientになって、正しい道、信じる道を進もうと思ってくれる、人たちを信じたいと思います。

そのPacience 忍耐こそが「ソーシャル」を考える意味であり、その人が「ソーシャル」であるゆえんなのです。



ポールと話してきて、少しこの問題に関しては解が見えてきました。これから一緒に色々と動こうと思います。
またその動きはブログに書いていきたいなと思います。