みなさんから色々おたより

先日、インドの迫力をいち早くお知らせしようと写真もアップしてみたら、いろんな方からご連絡いただきました。

皆さん、読んでくださっていて、大変うれしいです。というか、そんなに皆さんが読んでくださっているとは思っていなかったので(笑)、身の引き締まる思いでした・・・(気をつけようっと・・・)


ご質問を頂いた大学生の方に、「紹介していたのは、これですか?」と言われたので一つアップしておきます。そうそう、これです!


HP社のモバイルフォトスタジオ
http://h20247.www2.hp.com/PublicSector/downloads/MobilePhotoStudio.pdf


これ以外にもいろいろこれらのフォトスタジオビジネスモデルは出来上がっていて、実は世界のBOP研究者業界(?笑)の中では有名です。
みんな「このモデルはすぐにマネされて、日本のSやCやRが入ってくるだろう」と噂していましたが、そんなにすぐに入っていけるものでもなかったのですね。そんな噂があったのが2005年から2007年頃でしょうか。結構前ですね。


(にしてもインドではHPのパソコンを使っている人は多いですね。いろいろなアプローチでブランド力を構築しているんだろうなあ、と強く感じました。)


このアプローチは10月に発売する「世界を変えるデザイン」でも出てきますのでお楽しみに♪


HPの事例ではありませんが、こうしたアイデアが開発された裏側のお話がでています。私自身も読んでなるほどと思う、面白い下りがありましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。


みなさんからお便りをいただいた中で、ひとつ、ご紹介いたします。イギリスに留学されている大学生の方からでした。

インドの農村部にいる人々が生活必需品以外に欲している贅沢品とはどんなものがあるでしょうか??贅沢品とは先進国にあるような生きてくうえで必ずしも必要ではないけれども生活をより豊かにするものと解していただければ大丈夫です。


現在展開されているBOPビジネスの多くは石鹸などの生活用品、ネットワークなどの情報関係など生活必需品または生活の中の生産性を高めるものが主流であるように思われます。しかし私は今後10年20年のBOPビジネス市場は必需品以上に贅沢品市場で行われると考えています。たとえば槌屋さんがブログの中で紹介していたカメラの例がまさにそうです。私は途上国、BOP市場に赴いたことはまだありません。なので現地の方が何を求めているか定かではありませんが、必要としているもの(生活必需品)のほかに欲しがっているもの(贅沢品)もあると考えています。こうした贅沢品市場の形成による職種の増加がまたBOP全体の雇用創出にもつながらないでしょうか。もちろん何が豊かかの議論があることは認識していますが、それを選ぶのはBOP消費者自身であり、贅沢品BOPビジネスがBOPの生活の選択に加わることが豊かに、そして生活に新たな楽しみを与えることと解しています。


現地にいらっしゃる槌屋さんにお伺いしたいのはそうした先進国で贅沢品と呼ばれるものがBOP市場ではどのようなものであり、それの需要と購買力がどの程度あるかということです。HPのカメラの例は非常に興味を惹かれました。もしくは彼らにとって贅沢、娯楽とは何かを伺いたいです。彼らの収入が少しずつ増えていったときにどんな娯楽に使うのか、どんな形でその収入を使うのか。

というご質問でした。

これはBOPの研究者の中で、「What is Frill(Frillというのは贅沢品のことを指します)?」というディスカッションがよくされていて、昨年9月でも私が参加したカンファレンスの中で、このディスカッションを多くしました。


私の意見は終始貫徹おなじです。

「誰に、これが贅沢で、これが贅沢でない、ということを決める権利があるのか?」


勝手に「貧困層にはこれが必要で、これは不必要であるはずだから贅沢だ」と決めるのは、あまりに先進国で暮らす人々の傲慢さなのではないか、と思うのです。
皆、「そうなんだよねえ」と話しており、その中で、以下に紹介する着メロに関する意見も聞きました。


この質問をされた方への、私からの回答を一部抜粋いたします。

贅沢品についてですが、彼らは欲しがっていないわけではありません。
欲しいのですが、手に入らないのです。物流面でも農村地域には品数がなく、手に入れることができませんし、選ぶこともできません。買いたいと思うと思いますが、手に入れるためにはある程度高い値段を払わなければならないし、さらには手に入る地域まで出ていくために交通費などを払わなければなりません。


大きなテレビも欲しいですが、持ち帰る際に普通の二輪自動車では帰れませんから交通費が余計にかかります。それも含めて、自分が出せる額をお財布と相談しています。


もし、贅沢品が手に届く価格で、確実に農村部に供給されるのであれば、彼らはこぞって買うでしょう。必ず売れます。ただ、安く提供すること、そこまで届けること、このハードルが高いだけなのです。そのハードルを越えようと頑張っている企業はいくつも出てきた、というのがBOP市場の面白さだと思っています。


何を贅沢と呼び、何を必要と呼ぶかについて、私にはいまだ分からないことがあります。


一見、贅沢に見える品であっても、買った人の生活をドラティックに変え、利便性をよくし、それによって人生の選択肢の幅が広がり、収入をあげたり、友達という資産を増やしたり、などの効果があるのであれば、それはその人にとって、「必要」なのだと思います。


Nokiaがアフリカ市場にて深く深く入って行って気づいたことの一つに、農村部や貧困地域で、もっとも売上をあげていたのは、携帯端末そのものではなくて、実は着メロだった、という事実があります。
これは、都会に出たことがある貧困層が他の人たちが素敵な着メロを使っているのを見て、自分も欲しくなった、というわけです。
そこで、簡単に自分の持っている携帯電話からアクセスでき、かつ、ダウンロードの価格もそんなに高くないのであれば、わざわざ交通費を払ってどこかに行って買ってくる必要もなく、「安く」手に入れることができるエンターテイナメントなのです。


途上国に来てみられるとわかると思いますが、携帯の着メロやダウンロード音楽は非常に重要で、村ではラジカセ代わりになるのです。ラジカセよりも小さく、電話としても使えるし、音質もいいので、携帯で音楽をならしておいておきながら、みんなでご飯を食べたりしています。

農村で何が欲しい?と聞いたら、「iPodが欲しい」と言われたくらいですよ。

さて、こんなことをやりとりしております。
他にもいろいろ考えて意見したい!という方はぜひご連絡くださいませ。

http://bopinnovation.jimdo.com/%E3%81%8A%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/

こちらにお問い合わせフォームがありますので、お知らせいただければ幸いです。
少しずつになりますが、ご連絡さしあげて、お返事させていただきます!

現在、バンガロールにおり、時間があまりないので、短くなってしまいますが、今度、Frillに関する議論について、世界でどんなことが言われているかしっかり書きたいと思います。

他にもいっぱい色々書きたい内容がやまほどたまってきました…
時間が足りませんね!