ワークシェアリングの時代がやってきた

ワークシェアリングによって、製造業の下請け会社などが生き残りをかけはじめているそうです。この動きは注目だと思っています。

ワークシェアと言えば、沖電気さんが有名だと思っていますが、ほかにも多くの製造業の会社は、この不景気をきっかけに導入を早々と始めているようですね。

導入がしっかりと始まって、それがどういう効果を生むかはこれから本格的に見えてくるわけですが、人口減や雇用問題、移民労働者の問題などでもう既に「景気」「雇用」という問題に直面し続けてきたヨーロッパでは、ワークシェアは本当に進んでいます。最近ではそのことを「フレキシリティ」というそうです。(雇用の柔軟性と雇用の安全保障という相反する二つを両立させる考え方だそうです by私の同僚さん)


ずっと私も会社や周囲の人にワークシェアの制度にしてください、と言い続けてきました。というのも、自分がワークをシェアしたいだけなのですが・・・
例えば、週3日勤務であと2日は違う自分プロジェクトに時間を費やせたら面白いじゃないですか!
子どもができたら半日は仕事で午後は子どもと過ごす、とかもいいですねえ。
などワークシェアすることで、自分の世界観は広がる上、やれる範囲も広がっていくような気がするのは、気のせいでしょうか。
ただ、なかなか仕事の内容が俗人的なので、シェアできないのが専門職の難点、というのが突き返される理由です。本当にそうかなあ、と思ってしまいます。

日本の商社や大手製造企業などで勤める友人たちにも「ワークシェアをしてはいかが?」と勧めてみたものの、「前例がないし」「そんなことしたら席がなくなりそうだし」という声がほtんどでした。


なぜこんなにも日本ではワークシェアの発想がネガティブに受け止められているのでしょうか・・・


とそんなことを思っていた矢先、SRI アナリストの佐久間さん(ベルギーのビジオというSRI評価機関のスペシャリストです)と少しお話できた時に、あそこまで専門性が高い仕事でもきちんとワークシェアリングできているのだとか!すごいです。
たとえば、来月から週3日勤務にしたい、という場合も、会社に言うと必ず許可がおりて、必ず会社はそれを補填するための人材を新たに雇わなくてはならないのだそうです。
不思議だったのが、週2日勤務でも働きたいという人がいるのだな、ということで、ニーズがなければ成り立たないはずなので、面白いなあ、と思いました。

つまり、そこまでシェアすることが通常になっているんですね。


専門性が高いとかどうのこうのというのは、「単なる言い訳」ということが分かります。
やろうと思えば何でもできる。


確かに最近会社の中でのディスカッションでも思うのですが、ワークシェアリングを成功させるには、ある程度仕事で積み重ねられるナレッジを標準化させることができなければなりません。つまり雇い方を変える以上に、仕事の内容やプロセスにイノベーションを起こさなければ前に進まないのです。
「俗人的であるか」ということよりも「あるフォーマットに従って行えば、そこそこのレベルで成果物は必ず出てくる」というものを作って、その上にプラスαで、生産性や品質といった部分で、個人のクリエイティビティが生まれ、発揮されてくるように思います。


前のくだりで、日本大手企業に勤める人々にワークシェアリングが無理だ、という話というのは、そのイノベーションを起こす気がないからだ、というように捉えられてもおかしくないですね。


そんな中、日本企業が今回の津波 クレジットクライシスを受けて、本気になってきているのを感じます。


次は技術のイノベーション、そして、組織体制のイノベーション、そして、仕事の内容のイノベーション
それらがおこるはずだと思います。

苦しいのは確かですが、とにかく明るく攻めるのが今必要です。今は一縷の望みをかけて、各社の「窮鼠猫を咬む」の逆転発想で生まれてくるイノベーションの数々を楽しみに待ち続け、応援し続けるのが一番いいように思います。